2022/12/15 19:54
日本にいながらバリ島をより身近に、より良い場所に、より好きになれるプログラム、”Share the big LOVES”。 人・地球・動物に優しいブランドを目指すLilave。 そんなブランドミッションを達成するために、売り上げの10%をバリ島内の犬の保護活動に役立てています。 「なぜ犬の保護活動でバリ島に還元しているのか?」についてはぜひ「Share the big LOVES 第一回目活動報告」をご覧くださいませ。 第三回目のShare the big LOVESの主人公となるのは、コミュニティドッグの「コニョン(♂)」「マリカ(♀)」。どちらも推定4,5才のカップルです。 コニョン(♂) 活発で甘えん坊で縄張り意識の強い、バリ犬らしい性格です。 マリカ(♀) 信頼した人には甘えん坊で忠誠心を見せてくれる、情に厚い子です。 コミュニティドッグとは?: バリ島のペット事情は日本と比べるととてもユニークです。犬や猫は放し飼いをすることも多々あり、ペットとして飼われている犬もノーリードでのびのびと散歩をする姿が散見されます。 コミュニティドッグは、バリ島の人々にとって野生動物と人間の中間の存在である、飼い主を持たない犬たちを指します。野良犬との違いは、定期的に食料の提供などを行う人間がいることです。コニョンとマリカはそんなコミュニティドッグにあたる存在です。 コニョンとマリカは外暮らしの暦が長く、里親を見つけ人間と暮らすことが難しいことが予想されるため、TNR(Trap;捕獲、Neuter;不妊手術、Return;元の場所に戻す)と言われる去勢・避妊を目的とした保護活動を目的にプロジェクトを開始しました。 コニョンとマリカとの出会いは、Lilaveがバリ島の南半島に拠点を移したことから始まります。 Lilaveの拠点の周りには、ひと地域あたりの野犬・コミュニティドッグの割合がとても高く、少し歩くとたくさんの犬たちが放浪しているのが目に入ります。 コニョンは中でも特に人馴れしており、いつも私たちが通るたびに少し離れたところから「この人はご飯をくれるかな?」と見つめていました。 その隣には必ずマリカも。そしてさらに遠くからコニョンとそっくりな子犬のバンビ、バンビの母犬と思われるプティも気配を消しながらこちらを見つめていました。 バンビ(♀) 推定6-7ヶ月。 プティ(♀)年齢不詳。バンビもプティも、人馴れしておらず近づくと逃げてしまいます。ご飯を食べているところをマリカに見つかると攻撃されるため、目立たないよう地面にご飯を置いています。 そこでまずは人馴れしているコニョン・マリカと信頼関係を築き、ワクチン、寄生虫駆除等の必要な医療ケアの提供、さらに去勢避妊手術を行うことに。 以前個人保護活動家の「ぱんはな家」への物資提供や、迷い子猫のSiwaの譲渡を行なっていたものの、半野犬へのLilave単体での保護活動は初の取り組み。何度も回り道をしながら手探りで保護活動が始まりました。 まずはコニョンとマリカが現れる道に、ドッグフードを定期的に置くことからはじめました。 すると半月ほどでコニョンは私たちの存在を認識し、「もっとある?」と近くに寄ってきてくれるように。 餌を自分の方に撒くことで近づいてきてもらい、少しずつ撫でる頻度を増やしていきました。2ヶ月経つ頃にはコニョンとマリカはLilaveのスタッフに「撫でて!」と要求をするほどに心を許してくれました。がりがりに痩せていた2匹の肉付きも健康的になってきました。 ちょうどその時期に、マリカの飼い主だったおばあさんの娘だと名乗る女性が現れました。 マリカは動物市場から番犬として買われた犬だったが、飼い主だったおばあさんが10ヶ月前に亡くなったこと。おばあさんの息子さんが飼い主となったが、放し飼いで世話らしい世話はしておらず、時折残飯をあげているのみであること。マリカとコニョンの子犬たちはLilaveが拠点を移す数ヶ月前に生まれたが「多分」みんな死んでしまったであろう事。娘さんはマリカの面倒を見てくれる人が現れることを神に祈っていたこと、などを一息に話していました。 (コニョンはある時から急に姿を現したため、おそらく捨てられた犬だろうとのことでした。) マリカとコニョンという正しい名前を教えてもらったのもこの時でした。 特にマリカは、私たちが正しい名前を呼びながら撫でると興奮して体当たりしながら大喜び。 まるで「そう!それが私の名前なの!そうやってまた私を呼んでくれる人をずっと待っていたのよ!」と全身で言っているようでした。 そんなマリカをふざけて叩こうとする自分の息子を咎める様子もない、「あなたたちのような人が現れるのを神に祈っていた」と話す、出会った時にはがりがりに痩せていたマリカと何年も一緒に住んでいたはずの女性。 甘えて頭を擦り付けるマリカ 色々な思いがこみ上げますが、ここは動物への意識も飼い方も異なるバリ島。 目の前の人が私たちと異なる感覚を持っているからと言って、攻めることはできません。 きっと彼女は彼女なりの倫理観の中で、マリカを心配していたのだろうと思います。 ただ、こういった動物への感覚の違いの根強さと、外国人を含めた捨て犬問題が相まって、バリ島中でボロボロになりながら死を待つばかりの犬たちがたくさんいることも事実です。 とにかくマリカとコニョンには「正式な」飼い主がいないことが確認できたため、2匹からさらなる不幸な命が生まれないよう、去勢避妊手術を目指すことに集中しました。 信頼関係を築きはじめて2ヶ月を過ぎた頃、バリ島に暮らす犬たちの必須薬、寄生虫駆除薬とノミ・ダニなどを駆除予防する薬を与えてみることに。体を私たちに抱きかかえられることに抵抗がないことが確認できました。 次にバリ島の個人保護活動家が集まるFacebookコミュニティーにて多数の活動家から勧められたDr.Adhyにコンタクトを取り、総合ワクチンと狂犬病ワクチンを摂取させました。 2匹とも抱っこや注射をされることを嫌がる様子もなく、むしろご褒美の茹でチキンを沢山もらえていつもより嬉しそうな様子。 それから体調の変化がないことを確認し、いよいよ去勢・避妊手術を実施。 いつもと違う雰囲気を感じ取ったマリカが暴れ、コニョンも不安定な様子だったため、やむなく吹き矢で眠らせた後に手術を実施しました。 10年以上の活動の中で、数万匹の野犬の去勢避妊手術を行なってきたというDr.Adhyの傷を最小限に抑えた手術が完了。 去勢避妊後は経口薬のみで問題なく自然に治癒するとのことでした。 その言葉通り術後も安定して回復し、2匹とも現在は元気に暮らしています。 マリカとコニョンの保護活動にかかった費用はこちらからご確認いただけます。 (フードはマリカ、コニョン、プティ、バンビの4匹分の費用です。) 現在、コニョンの娘と思われるバンビとその母犬とみられるプティへの医療ケア提供、避妊手術を目指しています。しかし2匹はとても警戒心が強く苦戦しています。おそらく2匹は捕獲器等で捕獲することとなりそうです。近々2匹についても良いご報告ができるよう、尽力してまいります。 “Share the big LOVES”はお買い上げいただいたお客様皆様のお力により継続ができている活動です。「バリ島への恩返しをしたい」「犬の保護活動に参加したい気持ちからジュエリーを手に取った」とのお声も最近頂くようになり、私たちの大きな励みとなっております。 この場をお借りしてお客様皆様に御礼を申し上げます。いつもご愛顧いただきありがとうございます。 次回はShare the big LOVES 番外編をお届けいたします!