2025/10/06 16:52
自分の心の声に耳をすませながら、
自然とともに暮らす女性たちの“今”を大切に綴るコラムシリーズ、"Sun and Soul"。最近頻繁にインドネシアのサーフメッカを巡っているMiki。第4回目の今回は、Lilaveのジュエリーをスマトラに連れて行ってくれました。
気づけば、スマトラに来てあっという間に2週間が経っていた。
好きなだけ、思うがままに滞在しようと思って、片道フライトしか買わなかった。
泊まっている宿の目の前には海が広がり、部屋の窓からは数えきれないほどのココナッツの木が見える。
心地よい風が吹き抜け、宿のオーナーはまるで家族のように接してくれる。
田舎のおばあちゃんの家にいるかのような安心感。朝起きると、簡単な朝ごはんを用意してくれて、サーフィンに行くときには「Hati Hati (インドネシア語で「気をつけてね」)」と優しく送り出してくれる。
去年ここで出会った友達とは、1年ぶりの再会。
「おかえりー!」と声をかけてくれて、一緒にサーフィンをしながら波を譲ってくれる。
このエリアに1つしかないコーヒーショップに歩いて行けば、海で出会った顔なじみのサーファーに遭遇する。
向かいに座ったサーファーと「今日の波、どうだった?」と会話を始めれば、また新たな出会いが生まれる。
1人で来たのに、全然1人な気がしない。
砂のついた足に、こんがり焼けた肌。ここで出会う人は皆、生粋のサーファーたち。
人の少ない、パーフェクトな波を求めてこの場所にやって来る。
唯一の目覚ましは、朝5時から鳴き続けるニワトリか、隣に泊まっているサーファーがボードにワックスをかける音。
そんな自然のリズムが、この生活にぴったりとフィットして、今の私にとって一番必要だったものだと感じている。
1年に数週間、多くて数ヶ月の休暇を使って、多くの人がするようなサーフトリップを、もっと気軽にできる自由がある。
これが私なりの幸せだと、改めて実感した。
時間、健康、そして、好きな時に好きな場所へ行けること。
物や人に左右されるのではなく、自分の内側から湧き上がってくるもの。
先週、海で2人のオーストラリア出身のサーファーガールズに出会った。
2人とも20代前半で、ここに1ヶ月ほど滞在すると聞いてすぐに意気投合。
共通の知り合いもいて、出会った数日後にはスマトラのジャングルまで一緒にトレッキングに行ったり、滝に打たれに行ったり。
この2人のお陰で1週間ステイを延ばすことに決めた。
“I’m so happy that we met” ー出会えて本当によかった。
そうお互いに言い合えるほど、濃くてかけがえのない時間を過ごせるのは、この場所ならではの魅力かもしれない。
バリのように観光客で溢れていない分、ここにいる人たちは、どこかで誰かとの本当のつながりを求めている気がする。
今はオンラインやSNSで人と簡単につながれる時代だけど、
そのつながりの中で、どれだけ深い思い出や心の通い合いがあるかと聞かれると、その答えは案外、数えられるほどかもしれない。
だからこそ、サーフトリップが好きなんだと思う。
そして、毎年ここに帰ってきたくなる理由のひとつでもある。
心の底から、目の前にいる人と、ちゃんと繋がるために。
画面越しではなく、波に乗って、同じ時間を過ごして、その瞬間を全身で感じながら。
残りの1週間、どんな出会いがあるか楽しみで仕方ない。
大学時代にニューヨークへ留学し、中東での仕事やオーストラリアでのワーキングホリデーを経て、現在はバリ在住。
フリーライター、翻訳家、クリエイターとして多岐にわたる活動を行っている。
波と人、そして直感に導かれながら、海のそばで自由なリズムを大切に暮らしている。