2025/09/09 19:15
自分の心の声に耳をすませながら、
自然とともに暮らす女性たちの“今”を大切に綴るコラムシリーズ、"Sun and Soul"。Mikiがサーファーの天国クルイへの旅と心の内を綴ってくれました。
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年に数回、どうしようもなく湧き上がってくる欲がある。
インドネシア奥地のジャングルへ行き、数週間ただ波と自然に身を委ねたい。
もちろん、人が少ない、良い波を求めて。
バリは大好き。だけど、いくらお気に入りの場所でも、たまにはこの小さなバブルを抜け出して、リセットする時間が必要。心地よすぎる場所に長くいすぎると、逆に違和感を感じ始める。


「バリ近郊の島にでも行くの?」と聞いてくる友達もいたけれど、
私の直感は、もう行き先を知っていた。
スマトラのジャングル、クルイ。
バリから飛行機でジャカルタまで、そこで乗り継ぎ、南スマトラの空港へ。そこからさらに約7時間、曲がりくねった山道をドライブして、やっとたどり着く。丸一日が移動で終わるほどの僻地。
誘ったサーファー仲間はみんな、この長距離移動のせいで断ってきた。それくらいアクセスが悪い場所。
だからこそ、行きたくなる。
(友達に私って変わり者だと思う?と冗談半分で聞いたら、笑ってコミットメントが素晴らしいんだよと言ってくれた。笑)
ビーチ、ポイント、リーフブレイク。全てが揃っていて、まさにサーファーの楽園。
ヤシの木に囲まれた一本道をドライブして、サーフスポットに着く。
渋滞といえば、途中で道路をのんびり渡っている牛くらい。
去年一度だけ訪れたこの場所が忘れられなかった。
友人もいるし、いつも通り深く考えず、出発2週間前に片道のフライトだけ予約した。
ついつい、次の目標、次の夢、次に行きたい場所ばかり考えてしまうけれど、ふと立ち止まる瞬間がある。
「あれ?今の自分の暮らしって、昔憧れていたものじゃない?」
ふり返ってみると、自分が本当に大切にしたいことに“YES”と言い続けてきた。
そして、自分にフィットする生き方を選び抜いてきたことを、今では誇りに思える。
たとえば今。
またインドネシアの別の島に気軽に行って、波を追いながら、どこにいてもできる仕事があり、ストレスのない日々を過ごしている。
数年前の私が、ずっと夢見ていた生き方。
もしかしたら、ラッキーが重なったことも何度かあったかもしれない。
でも、ここまで来るためにしてきた数えきれない選択と、築き上げてきた自分だけのライフスタイル。
そして今回の旅。航空券を取った直後、クルイに住む友人から突然メッセージが届いた。
「元気?こっち来るとき連絡して!一緒にサーフィン行こう!」
タイミングが良すぎて、思わず笑ってしまった。
まるで宇宙が、「直感は間違っていないよ」ってそっと背中を押してくれたような気がした。
何か選択する時、迷った時、答えが大きなYESじゃなければそれはNo
もちろんたまには妥協が必要な時もある、やっていく過程でYESに変わる時もある。
新しい仕事の機会、新たな土地への引っ越し、友情も恋愛も含めて人生で付き合っていく人々。
今の生活は全部これまでの決断の積み重ねで、他の誰でもなく自分自身が作ってきたもの。
もし、あの時オーストラリアに残っていたら?
もし、あの時の彼とまだ一緒にいたら?
そう考えると、少し面白くて、でもどこかゾッとするような気持ちにもなる。
今の“自由で、何にも縛られない”この暮らしが、きっと今のライフステージに必要だったんだと思う。
20代最後の今、ようやく「自分の心地よさ」が何なのか、少しずつ分かってきた気がする。
選ぶ自由も、選ばない自由もある。
“誰かの正解”ではなく、“自分の感覚”に従って生きていくこと。
この先どうなるかなんてわからないけど、少なくとも今は、
「YES」と思える選択を積み重ねていけば大丈夫、そう思えるようになった。


大学時代にニューヨークへ留学し、中東での仕事やオーストラリアでのワーキングホリデーを経て、現在はバリ在住。
フリーライター、翻訳家、クリエイターとして多岐にわたる活動を行っている。
波と人、そして直感に導かれながら、海のそばで自由なリズムを大切に暮らしている。